11月初旬、2回目の土壌作りを行います。夏に蒔いた2種類の有機肥料がしっかりと馴染み、土壌を元気にする微生物が増した秋口に、もう一度肥沃な土壌にするための肥料を蒔きます。

(1)有機肥料を散布


土壌には「肥料の三要素」と呼ばれる窒素・リン・カリウムの他、マグネシウムやカリウムをしっかりと補ってあげることが大切なポイントとなります。 今回はこれらの成分をさらに補うための石灰や肥料を蒔きます。


苦土石灰

苦土石灰はマグネシウムを含む石灰です。土壌にマグネシウムを補うと共に、酸性の土壌を中和させる働きがあります。 大麦若葉の栽培には、土壌のPHを中性に保つ必要があります。

完熟有機肥料(牛糞・鶏糞を発酵させたもの)

ミネラルを豊富に含み、土壌の窒素、リン、カリウムのバランスがとれます。

『肥料の三要素』の働き

窒素

大麦若葉の葉や茎を大きくする重要な構成成分です。窒素が不足してしまうと、大麦若葉は大きくならず、葉の緑色も薄くなります。 しかし、逆に多くなり過ぎると軟弱になり、抵抗力がなくなるため病気にかかりやすくなります。 土の様子を見ながら窒素の量を適正に調節することが大切なポイントです。

リン

リンは植物の酵素などの構成要素で、エネルギー代謝にも重要です。 特に大麦若葉がまだ小さい時の根の発育を促進させる成育初期に重要な成分なため、土壌にしっかりと補ってあげることが大切です。

カリウム

根や葉などを丈夫にし、大麦若葉を病気に強くします。

(2)畑を耕す


肥料を畑全体に数回に分けて蒔いた後、トラクターで肥料をよく混ぜ込みます。

丁寧に土壌を耕すと土と肥料がしっかりと混ざり、さらに空気を含んだ団粒化構造の柔らかい土壌が出来上がります。

種を蒔く前の土壌作りが、こんなに時間のかかる大変な作業だと初めて知りました。 しかし、こうやってバランスよく栄養を含み、微生物が元気に活動する土壌こそが、栄養豊富な大麦若葉が育つ要素になります。

団粒化構造とは

団粒化構造とは、土の中にある小さな単位が団子になっている状態です。

土の中には岩石鉱物や粘土、腐植や微生物など小さなものがありますが、これらの単位が寄り合って団子になり、 さらにこれらの団子が寄り合って大きな団子になります。団粒化構造になった土壌は排水性・保水性・通気性などに優れ、肥えた理想的な土壌となります。

大麦若葉の根が大地にしっかりと張り、元気に大きくなるためにはこの団粒化構造の土壌が必要となります。